恋愛教育のススメ〜イケメン副社長はド天然?教育係を任せれましたが地位は要らないので解放して下さい〜
「新郎新婦の顔写真は無いから完璧にすれば何とかなるか…」
シートの隙間から会場をエスコートする男性スタッフに案内されて指定の場所にゆっくりと歩いて行く。
(あれ新婦は私…て事は?)
「ちょっと待って下さい!新郎は?」
会場のワァーと言う歓声と拍手そして生演奏の結婚行進曲が鳴り響き私の叫び声はかき消された。
本当に一人であの螺旋階段から降りるの?
ただ新郎に逃げられた花嫁みたいじゃない…
諦めるしかない。
社食で分かってたら片桐さんに頼んだのに。
うどんタダ食いされた上にこんな惨めな…
「ブーケを持って2階まで降りて下さい」
男性は私を知らないのか気付かないのか段取り通り進めて行く。
胡蝶蘭で作られたブーケを女性スタッフから受け取りベールで視覚が遮られてる分歩くのも困難な私は足元を見ながら螺旋階段をゆっくり降りた。
歩きづらいし…
一人とか恥ずかしいし…
ブツブツ言っても遅い。
下を向いた私の前に突然白い手袋をはめた手がエスコートするようにサッと私に触れた。
「一人かと思っ…て…」
「一人なわけ無いでしょう?」
「ふくっふふふ…?!」
「さぁ急がないと進行が滞りますよ」
なんで?!
どうして?!
頭はパニック状態で「さあ」と差し出された手にしがみつくしかなかった。
チラッと隣を見上げると白い燕尾のタキシードを着た副社長。
いつもよりしっかり髪をセットされてるけど目元に笑みを浮かべ周りに手を振る姿に女性達の黄色い歓声が聞こえてくる。
(本当、王子様だよね…)
螺旋階段をゆっくり降りてレッドカーペットに差し掛かる。
一旦足を止めてカメラのフラッシュを浴び一礼をしてまた一歩一歩ゆっくりと歩く。
少しだけ周りを見渡すと片桐さんや円生がニヤニヤ笑っているが見えて恥ずかしさが込み上げてきた。
(もしかして…はめられた?)
ベール越しに隣の副社長を見ると視線に気付いたのか笑みを浮かべた。
「どう言う事ですか…」
神父様が何なら話してる合間に小声で副社長に話しかける。
「あのカップルの人達と代わって貰いました」
「彼女達凄く楽しみにしてたのに」
まだ頭の中では疑問しか浮かばない。
「海外での挙式費用を少し」
ニコッと笑う顔が天然と言うより腹黒に見えてくる。
だいたい新郎の嘘っぽい演技に引っかかったのよね…
「少しじゃないと思いますけど?」
絶対かなりの金額を積んだに違いない。
「そろそろ白石さん思い出して貰えませんか?」
思い出す…?
何か約束した?
「教育係の見返り忘れました?」
囁くように言うと私のベールを上にあげた。
珍しく真面目な表情の副社長に見返りを思い出す。
《永久不変の確固たる地位》
「そう言う意味だったんですか?!」
「…永久に変わらない愛と花嫁の地位ですね」
あの時適当に返事してしまった事を今更後悔しても遅い。
焦る私と普段と変わらない表情の副社長。
「教育を終えた見返りを」
「騙すような人お断りです!」
私の言葉をもみ消すように軽く口付けた。
シートの隙間から会場をエスコートする男性スタッフに案内されて指定の場所にゆっくりと歩いて行く。
(あれ新婦は私…て事は?)
「ちょっと待って下さい!新郎は?」
会場のワァーと言う歓声と拍手そして生演奏の結婚行進曲が鳴り響き私の叫び声はかき消された。
本当に一人であの螺旋階段から降りるの?
ただ新郎に逃げられた花嫁みたいじゃない…
諦めるしかない。
社食で分かってたら片桐さんに頼んだのに。
うどんタダ食いされた上にこんな惨めな…
「ブーケを持って2階まで降りて下さい」
男性は私を知らないのか気付かないのか段取り通り進めて行く。
胡蝶蘭で作られたブーケを女性スタッフから受け取りベールで視覚が遮られてる分歩くのも困難な私は足元を見ながら螺旋階段をゆっくり降りた。
歩きづらいし…
一人とか恥ずかしいし…
ブツブツ言っても遅い。
下を向いた私の前に突然白い手袋をはめた手がエスコートするようにサッと私に触れた。
「一人かと思っ…て…」
「一人なわけ無いでしょう?」
「ふくっふふふ…?!」
「さぁ急がないと進行が滞りますよ」
なんで?!
どうして?!
頭はパニック状態で「さあ」と差し出された手にしがみつくしかなかった。
チラッと隣を見上げると白い燕尾のタキシードを着た副社長。
いつもよりしっかり髪をセットされてるけど目元に笑みを浮かべ周りに手を振る姿に女性達の黄色い歓声が聞こえてくる。
(本当、王子様だよね…)
螺旋階段をゆっくり降りてレッドカーペットに差し掛かる。
一旦足を止めてカメラのフラッシュを浴び一礼をしてまた一歩一歩ゆっくりと歩く。
少しだけ周りを見渡すと片桐さんや円生がニヤニヤ笑っているが見えて恥ずかしさが込み上げてきた。
(もしかして…はめられた?)
ベール越しに隣の副社長を見ると視線に気付いたのか笑みを浮かべた。
「どう言う事ですか…」
神父様が何なら話してる合間に小声で副社長に話しかける。
「あのカップルの人達と代わって貰いました」
「彼女達凄く楽しみにしてたのに」
まだ頭の中では疑問しか浮かばない。
「海外での挙式費用を少し」
ニコッと笑う顔が天然と言うより腹黒に見えてくる。
だいたい新郎の嘘っぽい演技に引っかかったのよね…
「少しじゃないと思いますけど?」
絶対かなりの金額を積んだに違いない。
「そろそろ白石さん思い出して貰えませんか?」
思い出す…?
何か約束した?
「教育係の見返り忘れました?」
囁くように言うと私のベールを上にあげた。
珍しく真面目な表情の副社長に見返りを思い出す。
《永久不変の確固たる地位》
「そう言う意味だったんですか?!」
「…永久に変わらない愛と花嫁の地位ですね」
あの時適当に返事してしまった事を今更後悔しても遅い。
焦る私と普段と変わらない表情の副社長。
「教育を終えた見返りを」
「騙すような人お断りです!」
私の言葉をもみ消すように軽く口付けた。