恋愛教育のススメ〜イケメン副社長はド天然?教育係を任せれましたが地位は要らないので解放して下さい〜
二次会ならぬ打ち上げ会場は
「ようこそBAR makarios(マカリオス)へ」
マスターのマイクパフォーマンスと皆んなで鳴らしたクラッカーで見事な盛り上がりを見せてる。
「まだ怒ってるんですか?花嫁なのに」
カウンター席に二人で座りムッとした私の頬を撫でる手に顔が緩みそうになるけど簡単には許さない。
「花嫁では無いです。模擬!仮!嘘の!です」
「そうムキになる所も可愛いです」
天然だと思ってたのに実は副社長の手のひらで転がされてた事が明るみになった。
あの後どれだけ大変だった事か。
社員にもお客様にもそして雑誌の記者にも追いかけられて。
そして椿さんのお見合いの件はと言うと…
「話が有ったのは本当ですよ」
少し困った顔をして
「わざとお見合い写真を見える所に置いてみたら白石さんは誰かと会った方が良いとか言い出すし」
「だって…教育係だからそう言うしかないじゃないですか」
あれを見つけた時はショックだった。
複雑で…でも言うしかなくて。
「そんな白石さんにわざとお見合いしたように見せかけてみました」
「一種の掛けですね」と涼しい顔で呟いた。
この顔知ってる。
仕事の時に見せる顔だ。
「普通に見せる白石さんをどんどん追い詰めて。結果…白石さんと花椿さん両方上手く行きました」
蘇芳が進めてるリゾート開発に一枚噛みたい花椿さんと私の本音が知りたかった副社長
「経営提携と私って…比べ物にならないと思うんですが…」
私の価値が高すぎる。
普通に考えると仕事と恋愛を結びつける副社長はおかしいけどそこが彼なのだろう。
「経営提携より白石さん重視でしたよ。花椿さんはおまけで付いて来た感じですから」
普通の顔して言ってるとこがやっぱり重い。
「桜子、やめるなら今だよ」
円生が隣に来てマスターから生ビールの追加を貰い苦笑い気味で私の肩をポンと叩いた。
「早めに止めようと頑張ったのに桜子ってば副社長の罠に面白いくらい引っかかるから」
「花凜チーフ余計な事を言わないで下さい」
副社長は珍しくムッとした表情を浮かべた。
「私怒ってるんですから!付き合うとか結婚とか考えてないですからね!」
ニヤッと笑った円生は副社長に「まだまだですね」と酔った勢いで言いビールを持ち他の仲間の所へ去っていった。
「本当に考えて貰えないですか…?」
「まだ怒ってますから無理です」
少しはお灸をすえないとまた何かやりかねない。
ブツブツと「やっぱり海外に白石さんを連れて」と聞こえて腕をつねった。
「白石さん痛いですよ」
「痛くて当たり前です。痛くしてるんですから」
フンと副社長とは反対の方向を向いた。
「まさくーんテキーラまだぁー?ちあきぃー久しぶりぃ〜」
金髪に胸元が大きく開いた深紅のドレスを着た美女が私と副社長の間に割り込んで副社長の肩をドンと叩くと言うより殴った。
酔った彼女は副社長の知り合いらしい。
「あぁ葉月さん。今晩は」
殴られたのに気にも止めない様子で副社長は彼女に挨拶をした。
「ちあきぃ〜!この子はぁ〜?」
ふらっと揺れてる彼女をカウンターから出て来たマスターが支えて「葉月、可愛いだろ?」と同意を求められるから頷くしかない。
「ふははっ!」
豪快に笑う姿は可愛いと言うかこの人何もかも凄い。
私の遥か斜め上をいく所は副社長と似ていて怒ってたはずなのに自然と笑みが溢れた。
「この女性は僕がやっと手に入れた大切な人ですよ」
恥ずかしいセリフをいとも簡単に言えちゃう副社長に私が恥ずかしい。
「そっかそっか!良かったな」
ふらつく姿に酔ってるのは確かだけど彼女は少しホッとした表情を見せた気がした。
(胸…傷痕?)
隠しもしないからタトゥーと勘違いしてたけど近くで見ると手術の傷痕。
「葉月は千晶の好きだった女。そして〜」
「まさくんの嫁でぇ〜す!いぇーい」
マスターと葉月さんはピースサインを私に向けてくる。
儚げで身体が弱くて?
発作を起こして倒れてたって言ってた…人?
「昔の事ですけどね」
私が彼の過去を知ってると思ってないから普通に応える。
「亡くなったんじゃ…」
あのマスターの話しぶりはそう取れてた。
「桜子、俺は一度も亡くなったとは言ってないぞ」
悲しい顔と悲痛な顔はしたけど確かに言ってない。
生きててくれたのは喜ばしいけど聞いてた感じの女性とは全然違う。
「昔は華奢で黒髪だったよな。性格は変わらないけど」
「僕も騙されましたね…大学受からなかったら“覚えとけ”て言われました。一時期いつも痣作ってました。ははっ」
「ようこそBAR makarios(マカリオス)へ」
マスターのマイクパフォーマンスと皆んなで鳴らしたクラッカーで見事な盛り上がりを見せてる。
「まだ怒ってるんですか?花嫁なのに」
カウンター席に二人で座りムッとした私の頬を撫でる手に顔が緩みそうになるけど簡単には許さない。
「花嫁では無いです。模擬!仮!嘘の!です」
「そうムキになる所も可愛いです」
天然だと思ってたのに実は副社長の手のひらで転がされてた事が明るみになった。
あの後どれだけ大変だった事か。
社員にもお客様にもそして雑誌の記者にも追いかけられて。
そして椿さんのお見合いの件はと言うと…
「話が有ったのは本当ですよ」
少し困った顔をして
「わざとお見合い写真を見える所に置いてみたら白石さんは誰かと会った方が良いとか言い出すし」
「だって…教育係だからそう言うしかないじゃないですか」
あれを見つけた時はショックだった。
複雑で…でも言うしかなくて。
「そんな白石さんにわざとお見合いしたように見せかけてみました」
「一種の掛けですね」と涼しい顔で呟いた。
この顔知ってる。
仕事の時に見せる顔だ。
「普通に見せる白石さんをどんどん追い詰めて。結果…白石さんと花椿さん両方上手く行きました」
蘇芳が進めてるリゾート開発に一枚噛みたい花椿さんと私の本音が知りたかった副社長
「経営提携と私って…比べ物にならないと思うんですが…」
私の価値が高すぎる。
普通に考えると仕事と恋愛を結びつける副社長はおかしいけどそこが彼なのだろう。
「経営提携より白石さん重視でしたよ。花椿さんはおまけで付いて来た感じですから」
普通の顔して言ってるとこがやっぱり重い。
「桜子、やめるなら今だよ」
円生が隣に来てマスターから生ビールの追加を貰い苦笑い気味で私の肩をポンと叩いた。
「早めに止めようと頑張ったのに桜子ってば副社長の罠に面白いくらい引っかかるから」
「花凜チーフ余計な事を言わないで下さい」
副社長は珍しくムッとした表情を浮かべた。
「私怒ってるんですから!付き合うとか結婚とか考えてないですからね!」
ニヤッと笑った円生は副社長に「まだまだですね」と酔った勢いで言いビールを持ち他の仲間の所へ去っていった。
「本当に考えて貰えないですか…?」
「まだ怒ってますから無理です」
少しはお灸をすえないとまた何かやりかねない。
ブツブツと「やっぱり海外に白石さんを連れて」と聞こえて腕をつねった。
「白石さん痛いですよ」
「痛くて当たり前です。痛くしてるんですから」
フンと副社長とは反対の方向を向いた。
「まさくーんテキーラまだぁー?ちあきぃー久しぶりぃ〜」
金髪に胸元が大きく開いた深紅のドレスを着た美女が私と副社長の間に割り込んで副社長の肩をドンと叩くと言うより殴った。
酔った彼女は副社長の知り合いらしい。
「あぁ葉月さん。今晩は」
殴られたのに気にも止めない様子で副社長は彼女に挨拶をした。
「ちあきぃ〜!この子はぁ〜?」
ふらっと揺れてる彼女をカウンターから出て来たマスターが支えて「葉月、可愛いだろ?」と同意を求められるから頷くしかない。
「ふははっ!」
豪快に笑う姿は可愛いと言うかこの人何もかも凄い。
私の遥か斜め上をいく所は副社長と似ていて怒ってたはずなのに自然と笑みが溢れた。
「この女性は僕がやっと手に入れた大切な人ですよ」
恥ずかしいセリフをいとも簡単に言えちゃう副社長に私が恥ずかしい。
「そっかそっか!良かったな」
ふらつく姿に酔ってるのは確かだけど彼女は少しホッとした表情を見せた気がした。
(胸…傷痕?)
隠しもしないからタトゥーと勘違いしてたけど近くで見ると手術の傷痕。
「葉月は千晶の好きだった女。そして〜」
「まさくんの嫁でぇ〜す!いぇーい」
マスターと葉月さんはピースサインを私に向けてくる。
儚げで身体が弱くて?
発作を起こして倒れてたって言ってた…人?
「昔の事ですけどね」
私が彼の過去を知ってると思ってないから普通に応える。
「亡くなったんじゃ…」
あのマスターの話しぶりはそう取れてた。
「桜子、俺は一度も亡くなったとは言ってないぞ」
悲しい顔と悲痛な顔はしたけど確かに言ってない。
生きててくれたのは喜ばしいけど聞いてた感じの女性とは全然違う。
「昔は華奢で黒髪だったよな。性格は変わらないけど」
「僕も騙されましたね…大学受からなかったら“覚えとけ”て言われました。一時期いつも痣作ってました。ははっ」