恋愛教育のススメ〜イケメン副社長はド天然?教育係を任せれましたが地位は要らないので解放して下さい〜
「その恋愛体質と考え方を改善してはいかがかと」

告白される
付き合う
一晩過ごす
好きになる
そしてプラスして…
重すぎるほど好きになる

これが副社長の恋愛フローチャート

まあ考える限り最後を“好きになる”で着地すれば良いだけだが彼に“考え方を変えろ”と言った所で無理だろう。

「副社長は好きなタイプとかいますか?」

「年下でハキハキ物を言う人ですね。困った人をほっとけないような」

「それは好きなタイプでは無く目の前にいる私です」

「ははっ。バレたか…」

結局好きなタイプは無いと言う事なんだろう。

彼の中で何かのスイッチに触れた瞬間恋に落ちると言う感じなのかな?

(困った人だ…)

まだ腕組みをして好きなタイプを考える彼を見て昔を思い出した。



初めて彼に会ったのは入社当時。

大学時代から通っていたBARで女性に水を掛けられると言うドラマのような事件に遭遇した。

呆然とする彼を可哀想に思った私はハンカチで濡れたスーツを拭いて上げてそのまま飲んだのが最初の出会い。

その後水濡れ王子がうちの社内誌で蘇芳百貨店の副社長に就任したのを知った。

お金持ちは傲慢(ごうまん)でワガママで…そう思っていたのに。

彼は全く違い過ぎる。

温室育ちの花と同じで害を与える物から守られて育ったに違いない。

「白石さんはいつもこうやって人を慰めるの?」

温室育ちの王子様はたまに失礼な言葉を悪気もなく笑顔で発する。

「バカな…」

いやちょっと待って…?
バカ正直に“そんな軽い女じゃない!!”と言うよりは…

「そうですね。この歳になれば身体の付き合いなんて軽い物ですよ」

大見得の大嘘
5年振りってバレなければどうにかなる。

彼は私をじっと見つめるだけで何も言わず

「じゃあ…」

徐(おもむろ)に立ち上がり私の腕を掴んで立たせたかと思ったらそのままベッドへ抱き上げて連れて行く。

「副社長?わ…私そんな何回もするタイプじゃ」

最後まで言わせないと彼は優しく唇を重ねて羽織っていたシャツに手をかけた。
< 7 / 31 >

この作品をシェア

pagetop