君に僕の好きな花を
「佐倉さんは覚えているかどうかわからないけど……。僕は高校一年生の時、図書室でお花の図鑑を見ていたら俺花が好きなことを同じクラスの人に揶揄われたんだ。その時、佐倉さんが「誰が何を好きでもいいじゃない!好きなものがあるっていいことじゃない!」って言ってくれた。だから僕は、お花が好きなことを胸を張って言えるようになったし、お花屋さんを開けたんだ。ありがとう」
「そんなことあったっけ?ごめん、覚えてないや……」
私は忘れてしまった思い出を、ずっと江戸川くんは覚えていてくれていたんだ……。私の一言が江戸川くんの人生に大きく関わっていたなんて、驚いてしまう。
「ちょっと、いやかなり重いけど……。これ、僕の気持ちです。僕が一番好きな花です」
赤いアネモネの花が差し出される。私はそれを受け取ったものの、花言葉なんてわからないわけで……。バッグの中からスマホを取り出し、検索する。
数秒後、私の顔は手の中で咲いているアネモネのように真っ赤に染まった。
「そんなことあったっけ?ごめん、覚えてないや……」
私は忘れてしまった思い出を、ずっと江戸川くんは覚えていてくれていたんだ……。私の一言が江戸川くんの人生に大きく関わっていたなんて、驚いてしまう。
「ちょっと、いやかなり重いけど……。これ、僕の気持ちです。僕が一番好きな花です」
赤いアネモネの花が差し出される。私はそれを受け取ったものの、花言葉なんてわからないわけで……。バッグの中からスマホを取り出し、検索する。
数秒後、私の顔は手の中で咲いているアネモネのように真っ赤に染まった。