なぜか御曹司にロックオンされて、毎日ドキドキと幸せが止まりません!
すると次の瞬間、握手ではなく私の右手を支えるように大きな両手が添えられた。
「あ、」
添えられた神永さんの手に、私は困惑の視線を滑らせる。
と同時に、胸の奥のほうへ騒々しさを感じた。
私の心がドキドキしているのだ。
どうしよう。
ほかの男性にされたら絶対に気持ち悪い行為のはずなのに、いま神永さんに手を触れられているのは嫌じゃないのだ。
普通はおかしいと思う行為のはずなのに……。
でもどうして神永さんは、いま私の手を掴むようなことをしているのだろう。
下手したらセクハラだって訴えられる可能性だってあるはずなのに。
それとも対面している女性全員の手を、こうしてあいさつ代わりに触れているのだろうか。
大きくて、温かい節くれだった神永さんの手。
その添えられた手の意味を理解できず、目の前の神永さんを見つめる私の瞳の奥は動揺と困惑で大きく揺れた。
ふと私の瞳の揺れに応えるように、神永さんはまるで大切なものを扱うように私の手を恭しく少しだけ持ちあげる。
なに……?
まるで王女に傅く従者のような神永さんの仕草に、さらに私は瞳を瞬かせた。
と、私の手の甲へ柔らかく温かいものがそっと押しあてられる。
キスだ。
神永さんが私の手の甲へキスをしている。
「……っ!」
反射的に私は目元が赤く染まるのを感じた。
私たちの座るテーブルの両隣りは、曇りガラスのようなアクリルのパーテーションで区切られている。参加者のプライバシーを守るためだろう。おかげで半個室に近い状態で、周囲からの視線を気にすることなく会話に集中することができる。
もちろん、こんなこと……をするために区切られているわけではないだろう。
だからこそいま、世界でも名立たる御曹司の神永さんが、危険を冒してまで私に触れる理由がわからない。
ましてやキスなどという、初対面の女性に対してかなりのリスクを負うだろう行為を、あえてした私にした意味を。
「あ、」
添えられた神永さんの手に、私は困惑の視線を滑らせる。
と同時に、胸の奥のほうへ騒々しさを感じた。
私の心がドキドキしているのだ。
どうしよう。
ほかの男性にされたら絶対に気持ち悪い行為のはずなのに、いま神永さんに手を触れられているのは嫌じゃないのだ。
普通はおかしいと思う行為のはずなのに……。
でもどうして神永さんは、いま私の手を掴むようなことをしているのだろう。
下手したらセクハラだって訴えられる可能性だってあるはずなのに。
それとも対面している女性全員の手を、こうしてあいさつ代わりに触れているのだろうか。
大きくて、温かい節くれだった神永さんの手。
その添えられた手の意味を理解できず、目の前の神永さんを見つめる私の瞳の奥は動揺と困惑で大きく揺れた。
ふと私の瞳の揺れに応えるように、神永さんはまるで大切なものを扱うように私の手を恭しく少しだけ持ちあげる。
なに……?
まるで王女に傅く従者のような神永さんの仕草に、さらに私は瞳を瞬かせた。
と、私の手の甲へ柔らかく温かいものがそっと押しあてられる。
キスだ。
神永さんが私の手の甲へキスをしている。
「……っ!」
反射的に私は目元が赤く染まるのを感じた。
私たちの座るテーブルの両隣りは、曇りガラスのようなアクリルのパーテーションで区切られている。参加者のプライバシーを守るためだろう。おかげで半個室に近い状態で、周囲からの視線を気にすることなく会話に集中することができる。
もちろん、こんなこと……をするために区切られているわけではないだろう。
だからこそいま、世界でも名立たる御曹司の神永さんが、危険を冒してまで私に触れる理由がわからない。
ましてやキスなどという、初対面の女性に対してかなりのリスクを負うだろう行為を、あえてした私にした意味を。