なぜか御曹司にロックオンされて、毎日ドキドキと幸せが止まりません!
「……そんなに簡単にいくかなあ」
 ノーブルな北欧風の式場入口付近に置かれた、「ハイスペックお見合いパーティー」と書かれたボードを目にした私は尻込みしていた。
 きらびやかに飾った同じ年くらいの女性や、少し上世代のスーツの男性たちが会場内へ入っていく。

 途端、周囲と比較して私は自分の服装が浮いていないか不安になってくる。

 一応当日を迎えるまで付け焼刃で、私はネットで「お見合いパーティーHOW TO」を調べ、勉強してきた。

 二十代前半の女性はしとやかな清楚系ワンピースがいいだろう、なんて書いてあったので、今日の私は白いブラウスにベージュの膝下丈のレーススカート。それから同色のラウンドジャケットに、同じくパテントのミドルヒールパンプスに、ころっとしたブラウンのバッグだ。
 

 すべてがプチプラアイテムで、いわゆる「高見え買い」ってやつだけれど。

 いまはファッション系のSNSが、TPOや予算、私のような身長百五十六センチの痩せ型など、具体例に合わせてお値段以上のコーディネートやメイクまでをも提案してくれるので、非常にありがたい。
 緊迫した財布事情を抱えている私でも、なんとかパーティーに着ていける服をこの数日で揃えることができたのだ。

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