甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「いーぬーまーるー?」


「ひぃ…っ」



一条くんが動くたびにふわふわとシャンプーの香りが跳ねる。


バスローブから覗く、艶やかすぎる首筋や胸元です。

いつもヘアワックスで遊ばせている髪の毛、ナチュラルに下ろされているという逆効果です。


捨てたもんじゃあないぜ3次元ッッ!!



「犬丸も今日けっこー汗かいただろ?シャワー、気持ちいいぞ」


「いっ、いいいい行ってくる…!!」


「……いもむし?」


「いもむしっっ」



どうにか一条くんの姿を目に映しまいとした結果の、ほふく前進。


ごめん。
さとちゃん、あすみん………、

3次元ってまじすごい……。



「いぬまる」


「わ……、あ…っ」



ほんっとうに一条くんは犬丸の抱き上げ方が上手だ。

そのまま抱えられてなんとバスルーム。



「行ってらっしゃい」


「あ……、はい…」



パタリと扉がしまる。

犬丸、シャワーいってきます。



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