甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




慌てる犬丸と、落ち着いた様子で部屋内を物色している一条くん。


そもそも今の犬丸に“帰る”という選択は与えられていないのが、現状。

なんと来るときは一条くんの執事みたいな園原さんに送ってもらったのだ。


なのでぶっちゃけ犬丸はこの場所がどこなのか把握していないという絶望。



「犬丸、UNOやる?棚に入ってた」


「犬丸そーいうのめちゃくちゃ得意だよ!」


「くそ単純」


「ハッッ!」


「ふっ、やろーぜ」



それから一条くんとUNOした。

UNOって大人数でやったほうが楽しいって思われがちだけど、案外ふたりでも楽しめちゃうのがUNOだ。


そして時間は刻一刻と過ぎ、迎えた21時。



「そろそろ寝る?」


「………ウン…」



大丈夫、だよね……?

なんかね、お隣のお部屋をさっきチラッと覗いたとき、大きめのベッドひとつしかなかったけど大丈夫だよね…?


寝る寸前にもうひとつ増えるようになってる仕様だよね??



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