甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
体育委員というのはそうです、私のことでございます。
もちろんですが今日が最後だなって覚悟を決めましたよねアーメン。
だって噂に聞けば、一条くんはボーソーゾクというものと関わりがあるとかないとか……。
「なあ犬丸」
「はっ、はいっ!!風を送りますか…!?それとも汗を拭きますか…っ!!」
「…まじで犬みてえ」
生き延びる方法はただひとつ。
このひとの犬になることだ、と。
犬丸の小さな脳ミソで考えられることはそれくらいで、そりゃもう必死だったなあ……このときは。
「俺たち、隣の席だろ」
「へっ?」
「…仲良くしよーぜ」
そこから、体育館倉庫のなかで。
肩を並べた私たちはいろんなお話をした。
一条くんにはお兄さんがいるとか、一条くんの好きな食べ物は牛タンだとか。