甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




さあここからだ。

ここからどう夢のなかへ……?



「いぬまるー」


「うはっ、ひっ、はい犬丸です…っ!」



犬丸の耳、とんでもない甘さを聞き入れてしまう。

そこで話すのだけは犬丸を悩殺しにかかっているぅぅぅ……!



「犬丸もかわいーけど、亜古もかわいーよな」


「っ、なぬっ、いやあの…っ、それはマッマに言ってもらえると……!」


「ははっ、まずは犬丸に伝えてーの」



イケメンに名前を呼ばれるなんて、犬丸がしていいものは妄想だけだ。


おかあさん。

あのね、いちじょうくんにね、おなまえをほめられたよ。

かわいいって、いわれたよ。



「ち、千明っていう名前も……とてもいい名前だと、思い…ます、です」


「…いい名前?俺は犬丸の名前、かわいーって言った。もちろんいい名前でもあるけど」


「………か、……かこ、いい…、っす」




犬丸のコミュ力、ただいまマイナス150。



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