甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
ฅ犬丸、立ち入り禁止だってよฅ
「………犬丸、お友達に嫌われちゃったかもしれない…」
「えっ、嫌われたって……だれに…?」
「……それは機密情報なのですが…」
「ああ……、なるほど」
耳が垂れる。
尻尾も下がりに下がる。
さとちゃんとあすみんは犬丸が誰のことで悩んでいるのかなんとなく察したようで、それ以上は聞いてこなかった。
「話しかけてもね、こう……スッて。逸らして犬丸を避けてる、みたいなね…?」
私が大人の階段を上ったとしても彼にとって犬丸は犬丸だって言ってたのに。
………大人の階段ってなんだ?
いろいろ隠されてたところを見ちゃったとしても見る目は変わらないでって言ってきたのに。
………いろいろ隠されてたところって、なんだ??
「やっぱり3次元って難しいぃぃぃっ」
そう、夏休みが明けて変わったことといえば。
一条くんが犬丸のひとつ前の席になったこと。
そして犬丸の教育係(お世話係)でもある沙蘭くんが、なんと犬丸に冷たくなったこと。