甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




いつも繋がれているリードは、今日は取り外しちゃおう。

としても結局は見えないところで繋いでくるのが暁という組織なのだけれど…。


今日の犬丸はお友達のために頑張りたいです。


牛乳っ、牛乳っ、待ってて沙蘭くん……!



「えっ……売り、切れ…?」


「ごめんなさいね~。ちょうどさっき売り切れたばかりなの。3本くらいまとめて買っていった……その子も高校生だったかな?ほら、こっちの普通のものならあるから」


「ここの特濃牛乳しか飲まない人なんです……」


「あらあら、いるわよねえ拘るひとって。
……もしかして沙蘭くんのお友達?」


「…うい」



そこは商店街の小さな激安スーパー。

初めて教えてもらったとき、沙蘭くんのイメージとはギャップがありすぎて逆によく覚えていた。


今も品だしをしていたおばちゃんですら知っているくらいの常連さんなのだ彼は。



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