甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
なになに……?
どうして一条くんと沙蘭くんはいつも犬丸を仲間外れにするんだ。
犬丸が理解できない会話ばかりして、犬丸はできるなら英語とかより一条&沙蘭語を習いたい。
すこし複雑そうな顔で沙蘭くんに見つめられ、思わず私はルキくんマスコットをまた握りしめる。
ふっと笑った沙蘭くん。
今日は飴は舐めないようで。
「うみゃっ!ひゃひっ、ひぃぃっ」
むにーーーっ。
犬丸の両頬っぺた、伸びるかぎり伸ばされる…と。
どこか安心した様子の沙蘭くんは「まだまだ教育途中なんだからサ」と言って、嬉しそうに犬丸の頬を伸ばしてきた。
「ひひゃんひゅん!」
「ん?」
ぷはっと、頬っぺたは解放される。
「髪の毛!それ似合ってる…!」
「あ、これね」
まだ慣れていないようで、どこかはにかみながら自分の髪の毛をちょんちょんといじった沙蘭くん。