甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「そのおかげで興味あったこととかも滅多にできなくて、走ったりもダメって病院の先生から止められててさ。小学生の頃はとくに…入退院を繰り返してたな」



おなーーじ……。


でも捨てきれなかったんだよね、諦められなかったんだよね。

その気持ちが自分を動かしたんだよね。



「だから俺は今すごく、生きてるって感じがするんだ。相手を殴ってぶちのめして、踏みつける。俺すごい生きてんなーって」


「…………ひええええっ!!!」


「へ?」


「こっ、怖すぎる……!!犬丸のルキくんがいっきに血まみれに変わっちゃった嫌だぁぁぁぁ……っ」


「るきくん?俺、ルイだけど」



名前も似てるだなんてなんたる偶然。


いやいや似てないの!!

まったく違うよルキくんはもっと爽やか…!!



「マール子。おまえ面白いね」


「………似てる……かも」


「だから俺は類だってば。覚えて」



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