甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「……よし、」
私の縄と村雨くんの縄。
無事にほどいたあと、彼は私には「縛られたふりしてて」と命令。
なにか作戦があるんだろうと、ここでも大人しく聞くことに。
そんな村雨くんといえば、最悪集団のもとへ向かってゆく。
「…謝れよ」
「は?───っ、テメェいつの間に…!」
「マル子を馬鹿にして笑ったことっ、謝れって言ってんだよ……!!」
「ぐは……ッ!!」
うそっ、殴っちゃった……!!
戦が始まるぅぅぅ……!!
村雨くんのことだからもっと練った策でもあると思っていたら……。
まさかの物理攻撃、だと。
「マル子の価値はお前らが笑っていいものじゃないから」
村雨くん……。
価値って……2円だけども。
犬丸ですら聞くだけで笑っちゃいそうなのに、そんなにも怒ってくれるだなんて。
さすが一条くんの親友だっただけあると思った。