甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「ふはっ、こいつよえー!」


「おいおい、マジで0の人間なのかよ?」


「あんなイキっといてどーした?もう終わりかー?」



でも、数が多すぎた。
あんな大人数を相手にひとりなんて無茶だ。


それに………弱いんじゃない。

ちがう、たぶん、ちがうの。


村雨くん、まだ身体が完全ではないんじゃないの……?



「はっ、はあ……っ、くそ…っ」


「村雨くん……!」


「ははっ、カッコ悪いよなあ……、ほんっと俺って…」



返り討ちにされて転がってきた彼が、私の前で止まった。

あんなにいつも「もうへーき」って言ってたけど、そうじゃないよね…?


見てるだけで分かったよ。

自分を庇う戦い方だったってこと。



「……ごめんマル子…、おれ……嘘ついた」


「…うそ……?」


「0なんかとっくに追い出されてる。俺は……ただの役立たずでしかなかったんだ」


「…え…」



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