甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




追い込むように並んだ選抜メンバー。

そのなかで、一際目立つ威圧感と圧迫感を持った不動のセンターが唇を開いた。



「卑怯?なんとでも言えよ。お前らぶちのめすためならどんな手だとしても使う、それが俺たちって知ってんだろ」


「はっ、南地区のトップが笑えるなァ!!弱ぇから数で来てんだろ?ひとりじゃなんもできねえヒヨった───、ぐはァ…ッ!!」



だから最後まで言わせてあげてぇぇぇ…っ!

よく戦隊ヒーローものとかでも変身シーンがどれだけ時間かかっても、そのときには手は出さないっていう暗黙のルールみたいなの、ありますよね…?


それガン無視するの、かなり邪道だと思うよ犬丸は……!



「いやぁぁんっ!こわーーいっ」


「んだよコイツ…!きっしょくわりぃな!!近づいてくんなボケェ…!!」


「あ”?か弱い乙女になんてクチ利いてんだコラ」


「ギャッ…!!そこ掴むんじゃ……ッッ」



内股でキャピキャピしているトビちゃんは、確実に的確に相手の急所を潰しにかかってる…。

か弱い乙女、とは。



「大丈夫ー?飴いる?」


「あめ…?いいのか…?」


「うん、どーぞ」


「ゴフッッ!!ぐええっ…!」



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