甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「もう終わったよ、わんこちゃん」
丸まっていた犬丸。
あたりは静寂に包まれていたけど、その静寂が逆に怖かったりして。
ゆっくり顔を上げれば、なんかいっぱい……人間たちが寝てる。
「これっ、これっ、みんな…生きてる……よね…?」
「うん。たぶんね」
「たぶんとかやめてぇぇ…っ」
「勝手に僕たちの仲間に手ぇ出したのはこいつらなんだからサ、自業自得だってば」
傷ひとつない沙蘭くん。
そしてトビちゃんに猫葉くん。
言うまでもなく一条くんも。
「でっ!!ヤられたの!!?」
「わあっ!うわっ、ええ…っ!」
そして思い出したように血相を変えてガクガクと肩を揺すぶってきたのは沙蘭くんだった。
「おいわんこ!!答えろって…!」
「なにをっ、なんのっ、こと…!」
「だから襲われたんでしょ?どいつに?こいつ?そいつ!?」
「わわっ!みんな、に…!ルキくんがっ」
「だからどんなプレイだよそれ!!ふざけんなって、千明ならギリ許せそうだけどまだ早いってほんと…!!」