甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




あのっ、そのっ、せめてお説教は一息ついてからじゃダメすか…。

あとなんのこと言われてるのか犬丸さっぱりだ。



「されてないでしょ、どう考えたって」



助け船、まさかの猫葉くんだと。

しれっと放たれた言葉に、沙蘭くんの動きはピタリと止まった。



「たぶん犬丸が言ってるの、コレ」



スッと視線を落とす沙蘭くん。

ハッと気づいて駆け寄る犬丸。



「あああ…っ、犬丸の大切なルキくんたちがあ……、こんなに襲われちゃって…、ごめんねえ痛かったよねえ…っ」


「……………」


「あらあ?ねえねえ真修ちゃんもしかして、…も♡し♡か♡し♡てえ?」


「っ、うるッさいなそーだよホッとしたよ安心してるよ!!!悪いかよ!!」


「ふふっ、いやーん可愛い~~!!」



ツンツンとトビちゃんにつつかれて、顔を赤くさせる沙蘭くん。

沙蘭くんはだいぶ初期と比べてキャラが変わったような気がする…。


そしてとうとう動いた総長さん。



「犬丸、ケガはないか」


「う、うん…」



いつもであれば、一条くんが真っ先に向かってくるのは私のところ。




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