甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




あのね、なんかね、運転席が見えなくなっちゃったよ。

スモークガラスとかのレベルじゃなく、完全に隠れちゃった……。



「一条くんっ、大変なことになってる……!園原さんが居なくなっちゃったよ…!」


「ただの仕切りガラス。見えなくしただけでちゃんといるから安心しろって」



ただのって、ただのって。

そんな車があることすら知らなかったよ犬丸…。


ガラスがあることは知っていたけど、まさかボタンひとつで色を変えることができちゃうなんて。


なんすかこの高級車……。

というより園原さんと一条くんの関係性も気になるところだ。



「犬丸、俺はおまえが好きだ」


「っ……!」


「ルキくんを推してるおまえが、俺は好きだよ」



やばい……。

言われるまでルキくんのこと、忘れちゃってた…。



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