甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




言われたとしても今の犬丸の優先順位、まさかのびっくりすることに一条くんがトップをひた走っとる件。



「やっぱ俺は2番?3次元は2次元には勝てない?」


「…っ、いや、それは…」



“いっぬまるちゃ~ん、自分の気持ちにだけは嘘をつかないの~”



「ハッ!!」


「どーした?犬丸?」



なにいまの……?

すごい、テレパシーみたいなものでトビちゃんの声が聞こえた……ような。



「そっ、そんなことない…!!………で、ありますっ」


「…ん?」


「るっ、ルキくんはルキくんっ、一条くんは……一条くんでっ、あります…」



なにこの軍人さんみたいな話し方……。


どうしようぐるぐるだ。

いっぱいいっぱいな私に、ふっと甘く落とされる。



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