甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「わっ、ちょっ、待ってぇぇ…っ、ダメダメっ、あかんです…!ぐるぐるどっかーんになるっ、無理だあぁぁ…っ」
「いぬまる、」
「ばっくんばっくんする…!あんなの2回もしたら犬丸明日から平凡を生きられない…っ」
「おかわりしてきたの誰だっけ?」
「っ…、うわああああさとちゃんとあすみんになんて説明しようぅぅ…っ、ハッ!ルキくんに顔向けが……!!あぁあぁぁ世界の終わりだぁぁぁいやだ終わらないでぇぇぇ……っ」
「───亜古」
暴れる私を、微笑みと言葉ひとつで黙らせてしまった。
「大丈夫。つぎで確実に俺のことしか見えなくさせてやるから」
な、な、な、なにがあ……。
大丈夫って、ぜんぜん大丈夫じゃない…。
そばにある制服を強めに握ってしまっていた手は、ほどかれるみたく優しく繋がれる。
「まって一条くん…!そうなると犬丸っ、いぬまる…っ、オタクのくせにアニメショップにカップルで来やがる誰も勝てない最強リア充チームになってしまうぅぅぅ……っ」