甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「なにその会話。千明の溺愛っぷりは正直ドン引くとこあるよ」



はい、ゼリー。

と、呆れながらも沙蘭くんは私に渡してくれる。



「オレンジしかなかったけど、文句言ったら頭にプッチンして乗せるからね」


「あっ、承知…」


「まって!?鼻血っ、ちょっ、おいわんこ!!!」



むりだ。

むりだよお、鼻血出ちゃうよどうしたって…。


一条くんのルックスご存知…?
沙蘭くんだって似たようなものだ。

一部の女子生徒たちのあいだで二次創作とか作られてるの知ってる……?



「………あらあ……」


「あらあ、じゃないって…!僕ケッペキなんだからいい加減キレるよ?」


「沙蘭。そしたら俺が逆にキレる」


「………、」



押し黙った沙蘭くん。


やめて、やめて。

その度々出てくる上下関係、すっごいヒヤヒヤするよ犬丸。



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