甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
こういうときの一条くん。
視線ひとつで猿さんを止めた。
「猫、おまえも自己紹介して」
「……ああ、猫葉(ねこば)。たぶん君とはそんなに気が合わないと思う」
「や~んっ!そんなこと言っちゃダメよ燈(あかり)ちゃんっ」
「あー、確かに猫は名前のとおり猫っぽいからねえ。猿に猫に犬って、ここ動物園じゃん」
猫葉 燈(ねこば あかり)………くん。
沙蘭くんが言うにはかなり気まぐれな性格のため、現れたと思ったらいつの間にか消えているパターンがお決まりらしい。
ちなみに彼は高校1年生と、まさかの年下ボーイ。
「俺含めてこいつらがいわゆる幹部……、暁のまとめ係、的なやつだ犬丸」
いやだから……。
一条くん、言っちゃってから被せても意味ないぞよ。