甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「とりあえず簡潔に言うと……きみは今日から僕たち暁の一員で、僕たちが選んだ唯一の女の子ってわけ。
何よりこの総長さんが気に入っちゃったからには僕たちもわんこちゃんを守る義務があるし、きみも暁に守られる義務がある」



ようこそ、暁へ。

そしてもう1度言われた言葉。



「あっ、えと…っ、……その…、いぬっ、犬丸はっ」


「ははっ、そんな怖がらなくて大丈夫だってば。んー、そうだな…、暁は言っちゃえば楽しい楽しいアイドルグループだよ」



ばかやろう───、

私と沙蘭くん以外の人間たちのそんな反応が、表情という表情に現れていた。


そしてこの犬丸。


なにを血迷ったか大声で「本日の件はっ、たいへん心苦しいかぎりですがお断りさせていただきたく……!!」と、言ってしまい。

翌日から逃げつづける日々が始まった。



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