甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「な、なぜにそこまでこのオタクなんかをっ」
「総長であるあの人が選んだから。以上」
答えるのが早ぇぇ……。
もう少し間を置いてくれたほうが犬丸の心地も良かっただろうに……。
「選んだって……、そんな選ばれる理由もないのに…」
「そこは僕も気になるけど知らないとこ。もしかすると千明だけが持ってる気持ちがあるんじゃない?」
「……もしかして犬丸…、なにか特別な力が隠されてるとか…!?」
「うん、さすがわんこちゃん。考えることがまず次元を超えてくるよね。そっちにいくかって感じだもんね常に」
カラコロと、沙蘭くんが舐めている飴から可愛い音がする。
犬丸にも1コくれたらいいのに…。
3コくれたらいいのに。
「沙蘭くんは面倒じゃないの…?犬丸なんかに執着して」
「僕はきみの教育係を頼まれてもいるから、お世話する義務があんの」
あのときは“無理”って即答だったのに…。
もしかして沙蘭くん。
きみはいわゆる………ツンデレかい。