甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




「な、なぜにそこまでこのオタクなんかをっ」


「総長であるあの人が選んだから。以上」



答えるのが早ぇぇ……。

もう少し間を置いてくれたほうが犬丸の心地も良かっただろうに……。



「選んだって……、そんな選ばれる理由もないのに…」


「そこは僕も気になるけど知らないとこ。もしかすると千明だけが持ってる気持ちがあるんじゃない?」


「……もしかして犬丸…、なにか特別な力が隠されてるとか…!?」


「うん、さすがわんこちゃん。考えることがまず次元を超えてくるよね。そっちにいくかって感じだもんね常に」



カラコロと、沙蘭くんが舐めている飴から可愛い音がする。

犬丸にも1コくれたらいいのに…。
3コくれたらいいのに。



「沙蘭くんは面倒じゃないの…?犬丸なんかに執着して」


「僕はきみの教育係を頼まれてもいるから、お世話する義務があんの」



あのときは“無理”って即答だったのに…。


もしかして沙蘭くん。

きみはいわゆる………ツンデレかい。



< 52 / 223 >

この作品をシェア

pagetop