甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「うひょっ!ひゃひふふっ」
「ふはっ。んー、想像どおりのアホ面で」
伸びてきた手が犬丸の頬っぺたをむにゅっと挟んできた。
ふにゃふにゃ満足するまで遊んで、仕上げにポンポンと頭が叩かれる。
「ところで。ちょっと来て欲しいところがあるんだけど、いい?」
「……いずこへ」
「来ればわかるから」
はい、来ればわかりました。
なんと2回目のガシャン。
今度こそはちゃんと閉じて鍵をかけられたところを見ていたぞ犬丸は。
やはり犯人は沙蘭、お前だったのか。
「沙蘭くんっ、ちょっ、行かないでぇぇ教育係ぃぃぃっ!」
「仲直りするまで開けてあーげない」
んな…っ!いじわる!!!
仲直りって、仲直りって……。
つまり、つまりだ。
「いぬまる」
オーマイゴッドッッッ!!!
またまた待ち構えていたらしいこの人と一緒に閉じ込められました体育館倉庫。
ビクゥッ!と、跳ねまくる肩。