甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。




それぜんぶぜんぶ、この人が命令していた“護衛”だったんだと。



「犬丸……は…」


「ん…?どーした?」


「犬丸はっ、…お、オタク……だよ…?」


「知ってるよ」


「あっ、一条くんもグッズいっぱい揃えてたもんね……!」



笑顔を向けると、はあーーーっと長めのため息と一緒にもっともっと引き寄せられた。


ばっくんばっくん。

心臓が生きてます、です。



「……空条 ルキ、だっけ。俺と苗字似ててムカつくんだよな」



チッッッ。


いやぁぁぁ強めの舌打ちいやぁぁぁ…!!


なんで…!?

一条くんあんなにもルキくん愛を持ってたのに…!!



「俺の最推しは犬丸だよ」


「っ…、……あうっ、おうっ」



鼻血、ストップ鼻血。

ここでダラダラ流してたら犬丸なんも成長してないことになっちゃうから。



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