甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「な?いぬまる」
「うん!好き嫌いなくなんでも食べるよ犬丸は…!」
「えらすぎじゃね。明日も晴れるわ」
「……はあ。なんか相手にするのが馬鹿らしくなってきた。放っとこ」
ちなみに一条くんが言っていたとおり、犬丸は誰かが食べられない食材を食べるという特技を持っている。
そんなところも犬丸のいいところだと、いつかに一条くんは言ってくれた。
「ようようよう、兄ちゃんたち楽しそうなことしてんじゃん」
「なにこれツアー?遠足?まじウケる」
「オレたちもここ使いたいからさ、退いてくんねー?」
はいテーブルの下。
犬丸の速さったらもう。
こういう連中に絡まれることは珍しくはないけれど、慣れるわけがない。
「総長、」
「もう牛タンないの?あと飲み物も足りねーわ」
「え、あ、こっちに…あります」
「なんだよもっと早く言えよ」