甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
ジューーー。
この状況下で変わらずお肉を焼きつづけてるの、たぶん一条くんと沙蘭くん、それからトビちゃんに猫葉くんだけだ。
「そーちょー?ぶははっ!聞いたか?こいつそーちょーさんなんだってよ!!」
「俺たちもぜひ仲間に入れてくださぁ~い!」
アルコールの匂いがプンプンと。
見るからに私たちよりずっとずっと年上の人たちだ。
気配を消すんだ犬丸。
ここはそうやって乗り切るしかない。
足はガクブルだ。
でも頭はちゃんと守ってます。
「ん…?おっ、女の子いんじゃん!お嬢ちゃんなんでこんなところ───アッッチィ…!!!なにすんだガキゴラァ!!!」
「その女に少しでも触ったら殺す」
「っ、」
焦げたお肉をトングで掴んで男に投げつけた一条くん。
まるでそのためにずっと熱心に焼いていたのでは……という考察、怖すぎるからストップだよ犬丸。