甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「同じこと繰り返すの嫌いなんだよ俺。……聞こえた?」
一瞬だった。
結局あの人たちは何しに来たんだろうって思うくらい、一瞬で解決。
「いぬまるー、」
「ひっ、ひぃっ」
「肉焼けた」
ニッと笑って、私が身体を縮こませていた場所を覗いてくる。
……本当になんだったんだろう。
夢……?
犬丸は白昼夢でも見ていらしたの……?
「ちょっと、あそこにいるのって2組の犬丸さんじゃない…?」
「やっぱりそうだよね…?一条くんと沙蘭くんもいるし…、なんか最近ウワサされてるじゃん、犬丸さんと仲良いって」
「なんで犬丸さんなの……?ねえ、学校にウワサ流してハブらせてやろーよ」
「それいいね!」
それからしばらく経ったとき。
ん……?
どこかから声が聞こえたような…。
「沙蘭、」
「…了解」
すると私のそば。
ふたりは小さく合図を送りあっていた。