【短】鏡を割ったって、其処に写った自分が消える訳じゃない…
そこにあるのは、無表情の私。
何も見えない。
何も感じない。
何も手に入らない……。
そう、まるで神話のように。
あの鏡には…。
誰にも必要とされない自分が、いた。
だから、叩き割ったのに。
だから、粉々にしてしまったのに。
私の中から……。
あの人だけは、
……消えてくれない。
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