捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした
「私も、亮介さんとこうするつもりで……ここに来たんです」
驚いた顔をしたのもつかの間、亮介はぎゅっと目を閉じると、凛の上に崩れるように倒れ込んできた。
「あの……?」
「できる限り優しくしたいんだ。むやみに俺を煽るのはやめてくれ」
「あ、煽るというのは……?」
意味がわからずに聞き返したが、それに対する回答はない。
「んんっ……」
少し上半身を浮かせた亮介に噛みつくように唇を重ねられ、口内に舌を捩じ込まれる。その激しさとは反対に口蓋を優しく舐められると、触れてもいない腰のあたりがゾクゾクした。
「ふぁ……ん、んぅ……」
自分のものとは思えない甘ったるい声が恥ずかしいのに、それを止める手段がわからない。亮介のなすがままに貪られ、徐々に息が上がっていく。
「脱がしてもいいか?」
律儀に確認され、凛がはいともいいえとも言えずに小さく頷くと、亮介はすでに乱れていたバスローブの腰紐をほどき、合わせを左右に開いた。