捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした
普段職場で見る顔とは全く違う、男の色気がこれでもかと大放出されている亮介へ手を伸ばし、指先で額の汗を拭った。
「大丈夫、なので……お好きに」
動いてください、とは恥ずかしくて言葉にできなかった。
けれど、亮介にも快感を得てほしい。凛の身体で気持ちよくなってほしい。
その一心で、大丈夫だと彼に小さく微笑んだ。
「こんな時まで君は……。俺はいい、まずは凛をよくしたい」
吐息交じりで告げられた言葉通り、亮介は自分の欲望を放つためではなく、ただひたすら凛を甘やかすかのように抱いてくれた。
「凛、可愛い。もっと俺を感じて」
唇、舌、指先、そして彼自身、すべてで凛を責め立て、感じさせ、甘やかす。
凛は与えられる快楽や甘やかされる心地よさに酔いしれ、いつしか自分から亮介に甘えるように縋りついていた。