捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした
6.暴かれる真実《亮介Side》
そのメールを見た瞬間、文面ではなく写真に目が釘付けになった。
凛が亮介以外の男と抱き合ってる画は、目を逸した後も強烈に脳に焼き付いている。
彼女を女性として意識したのはいつからだろう。
新入社員として秘書室に配属され、グループ秘書として働く凛の顔と名前はうっすらと認識していたが、ただそれだけだった。
亮介に長年ついてくれていた男性秘書が家庭の都合で退職すると、後任として父である社長の第二秘書をしていた凛が抜擢された。
父や秘書室長の林田いわく、細かいことに気が利いてよく周りを見ているところや、就業中は感情を表に出さずに仕事に徹する姿勢など、重役秘書の適正が高いという。
しかし亮介は女性の秘書がつくことに不安を抱いていた。
これまでの女運のなさは尋常ではない。
振り返れば、亮介は幼稚舎の頃から恐ろしくモテた。四分の一だけフランスの血が入っているため幼い頃は特に日本人離れした容貌で、まるで天使のようだと褒め称えられ、周囲にはいつも多くの人がいた。