君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
「でも、萩野……、俺は「だからっ!!」




私はバンッ!と机を押して立ちあがる。


後ろにいる那月くんたちも流石に驚いたらしい。後ずさる音が聞こえた。


「先生は一度経験したってことで間違ってる人を正してほしい。私より苦しくて辛くて死にたくなる人を減らしてほしい……」







「……………」






私の目から、一粒涙がこぼれ落ちる。





「私、辛かったですけど、先生の笑顔が好きでした、救われたんです。先生には先生っていう仕事があってます。」





「…………」




本当に自分勝手でごめんなさい。


じゃあ何をしてほしいんだって先生困るかも知んない。




けど、いじめられた代償ってことで言わせて。




「先生、これから頑張ってくださいってことです。」




「………萩野、ありがとう。」





涙をすくって、優しく笑った先生が私には
輝いて見えた。






☆☆☆




那月side






……びっくりした。




りりがこんな大声出すなんて。



思わず後ずさってしまった。


でもそれと同時に少し安心した。



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