君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
………やばい、独占欲で潰れそうだ。
はぁーといらない空気を捨て、新しい酸素を吸った。
…あれ、
俺は2階の廊下を見た。
視力が良いから分かる。
あれはりりの両親だ。
前会ったきりだけど、違う何かが違う。
あんなに優しい表情をしていたはずなのに、
今は、仕事着だろうか。少し堅苦しい感じと
硬い顔をしてる。
校長……?
何か話し合いがあるのか?
PTAとかでは無さそうだし。
心臓がコツコツと、鼓動を早くする。
顔が冷たくなってく感覚。それがさっきまで気持ちよかったはずなのに今は
気持ち悪くて仕方ない。
今日何かが変わる。そんな気がした。
空を飛んでいた小さな虫が俺に知らせた気がする。
俺は知らなかった。
これがどれだけ辛い戦いになるかを。
りりと、離れてしまうかもしれないということを。
那月side
fin
違う
fin