君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
わたしは呆然としていた。




まさかこんなことになるなんて思っていなかった。




お父さんの強い手で引っ張られる。







涙がいつの間にか出ていた。






いや、…………いやだよっ……





「「李梨‼︎!」」




校長室を出るとあの二人がいた。




いますぐにでも抱きつきたいけど、
いけない。





「……千絵っ、雅美ちゃ…っ、「あら、その子が雅美ちゃん?」




驚くほど低い声になるお母さん。




…………わたし、そういえば雅美ちゃんに何をされたか日記に…………かいたんだっけ。





「……、はいそうですが。」




「…、李梨と話さないでくれるかしら。」




「「……っ、え?」」




嫌なのにっ……、もうみんなと離れたくないのに。




やっぱりわたしは……………弱い。




何も……いえないやっ………、




やっと磨き始めた石が、泥に入ったみたいに
真っ黒になっていく。





その泥は、わたしの足を掴んで離さない。




重くて上がらない。




「………も、やめてお母さん。わたし言う通りにするから………、帰ろう?」





「えっ………りりっ……!!」




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