君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
「したくないけど、どうすればいいのかっ……、お母さんが言ってることも事実で
何もいえなくてっ………」

「…つらかったね。でも、俺が助ける。」


「…………そんなの出来ないでしょ?」

「でも俺、今電話できてる。なんでだと思う?」「………わからない」


確かにわたしの家はどうやって電話かけたんだろう。



「先生に聞いてメモって家からかけてんの」

「そう、だったんだ。」


「、りり。」



優しい声で名前を呼ばれる。



「まだ俺、りりに香水渡してない。まずはそれを生きる理由にしといて。」


わたしに今生きる理由がないなんていつ分かったんだろう。



「……うん。」



涙が溢れて止まらなくなる。


那月くんが好きでたまらない。


「…、それと、俺まだ何するかは言わないけど、勇気俺も出すから、りりもおやに勇気出して言ってみなよ。」



「…なにを?」


「転校のこと。りりが辛くないように転校のことを仕向けてくれてるわけだ。俺だって大切に思ってるけど、1番大切に思ってくれてる
のは多分お母さん達だよ。りりが全部話せば
いけると思う。予想だけど。」





「…………うん、…うん。」



涙を腕でゴシゴシと拭く。




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