君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
「つ、………つまり。」



「うん。」





「那月くんわたしのこと好き…ってこと?」



「うん、俺は昔も今もずっと先も、
李梨のことが好きです。俺と付き合ってください。」




「…………っ、うん、」


わたしはぎゅっと那月くんに抱きつく。



太陽みたいな笑顔。



「………、わたし多分ね。プリントを拾ってくれたあの日より前に好きだった。
憧れがいつのまにか好きに変わってたんだと思う。」



「………そっか。」



「那月君の一番に私……なれた?」




「…………ふっ、李梨は、昔も今もずっと俺の1番だよ。」




頭を撫でながらぎゅっと抱きしめ返してくれる。




「好きです。那月くん。よろしくお願いします。」



「こちらこそ、よろしくお願いします。」




わたし達は、少し泣きながら、抱き合った。




わたしの一番は、ずっと前から君だけ。



これからもっとつらい事ばっかりなはず。




でも、君がいれば大丈夫だし、
辛い事がなきゃ、きっと関係は進まない。





辛くても、苦しくても




たった1人だけが感じられる一回限りの人生を
君と生きていたい。




わたしの願いは




ただそれだけ。



いじめられたって関係ないよ、




君が好きで一緒にいたいと思うのは普通でしょ!



わたしは1人で歩いていける。飛んでいける。


ふふっ、翼の生えた宝石だね。



空に輝く…、羽ばたく宝石になれたかな。




fin




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