君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
1度はぁと言った彼の口から言葉が出る。
「………鈍感だから気づいてないのかもしれないけど……さ、」
「……………へ?ど、鈍感っ?」
「そ、鈍感。」
口を開いたかと思えば、悪口っ?
私そんなに鈍い………?
「萩野。お前は……まぁ、俺みたいなキャラが言うのもなんだけどさ、いわゆるー、原石なんだよ。」
「げ、んせき…」
私、そんなにいいものじゃないよ。
劣化した窓ガラス。
可愛いヒロインみたいにか弱くはないけれど
日々日に汚れていくモノ。
でも君が言ってくれた言葉はなんかが違うの。
「だから、まだ磨き残しとか綺麗になれる場所があるってわけ。」
「私………が……?」
何を頑張っても上手くいかない私がよくなれることなんてあるの?
「萩野は、気づいてないだけだって。言ったろ、鈍感って。研磨して、最初と比べ物にならないくらい光ってそしたらさ……
あいつらを驚かしてやろうぜ。」
私をからかったりする人達はもちろん信用出来ない。人気者なんだって分かってるけど。
でも……、
「わ、かった。………頑張る。」
「ん、その調子。」
この人の言葉に、笑顔に答えたくなるのは。
この感情は………なんだろう?
「じゃ、萩野、ついてきて。」
自信げに微笑む彼の手を取り、私は1歩を踏み出した。
「………ーうん。」
ーーーーー
応えたい
fin