キミと掴む、第一歩。
ふたりきり
 土曜日は大好き。学校が休みだし、次の日も休日だから。いっぱい小説を書く時間があって、有意義に一日を過ごせる日。

……の、はずだったんだけど。


「うーん、だめだ。思いつかない」


 目の前のノートは真っ白、アイデアさっぱり。
 続編を、と言われてしまったので当初にはない話を書いているからか、まったく筆が進まなくなってしまった。

 スランプ、というほどのものではないしにしろ、書けないっていうのは結構つらい。小説家にとって、勢いで書き切ることは本当に大切なことなんだ。


 仕方なくわたしは靴を履いて家を出た。散歩すると家の中とは違って色々な刺激に触れるから、アイデアが思いつきやすいかもと思ったんだ。実際、プロの人もネタを考えつくときは散歩中、って人も多いし。
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