キミと掴む、第一歩。
✿
「っ、は……はっ、はっ」
「おつかれ史倉」
はい、と渡されたペットボトル。キャップを開けてゴクゴクと飲む。中身はスポーツドリンクだった。
「っは……」
「落ち着いて。深呼吸! はい、吸ってー」
言われた通り大きく息を吸うと、酸素が肺いっぱいに飛び込んできた。フーと息を吐く彼の真似をしているうちに、荒かった呼吸が落ち着いていく。
「だいぶ落ち着いたみたいだね」
「びっ……くりしたぁ」
「走るの案外楽しいでしょ?」
急に走らされたんだもん。すごくびっくりしたけど、その分とても楽しかった。
わたしがコクンとうなずくと、へへっと笑った瀬尾くんは大きく伸びをした。
「ランニング、してたの?」
「うん。休日だから、走るようにしてる」
「そうなんだ……」
お休みの日にも走ってるなんて。人には見えない努力を瀬尾くんは重ねているんだ。
「体力ってすぐ落ちちゃうからさ。サボったツケはいつかまわってくるし」
「すごい、なぁ……っ」
本当に尊敬する。
自分の才能におごることなく、誰にも見せないところでこんなに頑張っている。
「っ、は……はっ、はっ」
「おつかれ史倉」
はい、と渡されたペットボトル。キャップを開けてゴクゴクと飲む。中身はスポーツドリンクだった。
「っは……」
「落ち着いて。深呼吸! はい、吸ってー」
言われた通り大きく息を吸うと、酸素が肺いっぱいに飛び込んできた。フーと息を吐く彼の真似をしているうちに、荒かった呼吸が落ち着いていく。
「だいぶ落ち着いたみたいだね」
「びっ……くりしたぁ」
「走るの案外楽しいでしょ?」
急に走らされたんだもん。すごくびっくりしたけど、その分とても楽しかった。
わたしがコクンとうなずくと、へへっと笑った瀬尾くんは大きく伸びをした。
「ランニング、してたの?」
「うん。休日だから、走るようにしてる」
「そうなんだ……」
お休みの日にも走ってるなんて。人には見えない努力を瀬尾くんは重ねているんだ。
「体力ってすぐ落ちちゃうからさ。サボったツケはいつかまわってくるし」
「すごい、なぁ……っ」
本当に尊敬する。
自分の才能におごることなく、誰にも見せないところでこんなに頑張っている。