キミと掴む、第一歩。
　口角をちょっとだけ上げて笑うたまちゃん。その笑い方が、わたしは結構好きだったりする。


「たまちゃんのヒミツって、なぁに？」
「いや、ヒミツはヒミツだよ」
「まー、そうだよねぇ」


　教えて教えてとねだるほど、わたしも子供ではない。「でも、ゆきりのヒミツ一個知っちゃったからなぁ」と呟きながら外を眺めるたまちゃん。
　いつか聞けるときが来たらいいな、と思いながらカフェモカを飲んだときだった。

「たいしたことじゃないけど、それでもいいなら言うね。さすがにゆきりだけだとフェアじゃないかも」

　わぁ嬉しい、なんて思いながらこくこくうなずく。もちろん、カフェモカを口につけたまま。


「私、金山くんと付き合ってるよ」


　その瞬間ブフォッと吹き出して、「アンタきったな！」とたまちゃんに怒られたのは、いつもどおりのこと────。
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