キミと掴む、第一歩。
急いで椅子に座り、パチっと手を合わせる。
ほかほかのご飯とお味噌汁。そしてわたしの大好きなハンバーグ。
「いただきます!」
夢中でご飯を食べるわたしを、お兄ちゃんが呆れた目で見ている。
「落ち着いて食べろよ、ゆきり」
「ふぁふぁんふぇきふぁいよ(我慢できないよ)」
「何言ってんのか分かんねー」
お兄ちゃん、苦笑い。
そうしているうちに、お父さんが仕事から帰ってきて、お母さんの目がキランと輝く。
「おかえりなさい、あなた」
エプロンをしたまま玄関までお父さんを迎えにいくお母さん。「ただいま」と穏やかな声が聞こえてくる。
ああ、幸せだなって。
いつもこの瞬間、わたしは日々の幸せを噛み締めるんだ。
学校イチ頭が良かったり。バスケ部のエースだったり。
学校中でウワサされちゃうほどの美少女だったり。喧嘩が強いイケメンの不良だったり。
それはもうたくさんのキャラクターを生み出してきて、その子たちに憧れを抱いたことは何度もあるけれど。
それでもやっぱりわたしは、わたし────史倉雪莉として生まれてきてよかったって、心から思った。
ほかほかのご飯とお味噌汁。そしてわたしの大好きなハンバーグ。
「いただきます!」
夢中でご飯を食べるわたしを、お兄ちゃんが呆れた目で見ている。
「落ち着いて食べろよ、ゆきり」
「ふぁふぁんふぇきふぁいよ(我慢できないよ)」
「何言ってんのか分かんねー」
お兄ちゃん、苦笑い。
そうしているうちに、お父さんが仕事から帰ってきて、お母さんの目がキランと輝く。
「おかえりなさい、あなた」
エプロンをしたまま玄関までお父さんを迎えにいくお母さん。「ただいま」と穏やかな声が聞こえてくる。
ああ、幸せだなって。
いつもこの瞬間、わたしは日々の幸せを噛み締めるんだ。
学校イチ頭が良かったり。バスケ部のエースだったり。
学校中でウワサされちゃうほどの美少女だったり。喧嘩が強いイケメンの不良だったり。
それはもうたくさんのキャラクターを生み出してきて、その子たちに憧れを抱いたことは何度もあるけれど。
それでもやっぱりわたしは、わたし────史倉雪莉として生まれてきてよかったって、心から思った。