キミと掴む、第一歩。
「ねえ、春馬くん。わたしのこと、いつから好きだった……?」

 なんて。
 ふっと笑った春馬くんは、わたしの手を取り、ぎゅっと自分の体温で包んだ。


「雪莉のことを知るたびに、好きって気持ちが強くなっていったんだけど」
「え、っ」
「いつから好きかって言われると」


 ドクン、ドクン。ピンク色のリボンでキュッと締め付けられたみたい。
 高鳴る鼓動が、春馬くんを好きだと告げている。


「俺は、雪莉(ゆきり)のことが好きだったよ」


 お互いの白い息が紺碧の空にのぼり、代わりに純白の粉雪がふわふわと舞い降りてくる。

 きれいだ……と感動していると、ふいに耳元に近寄った春馬くんのにおい。お花のような香り。


 低くて、優しくて、どこか甘い声が。

 小さく、わたしだけに響いた。
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