気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

ぐっと距離を縮められれば、脚が歴くんの体に押されて勝手に開いてしまう。


退いてほしいのに、歴くん相手に『退いて』だなんて無礼にも程があると、妙なところで理性が働くから。

シャツを、ぎゅっと掴むことくらいしかできなくて。


でも、やっぱり。

こんな体見られたら……絶対、幻滅されるから。


「お願いします、電気消してください、歴くん……お願い……」


口にした途端、じわっと涙が滲んだ。



「……はは、必死」

「笑いごとじゃ……なくて、真剣に」


「なんでそんなに見られたくねぇの」

「……私の体、すごく汚い……から」


勇気を持って正直に告白したのに、歴くんは腰の紐をするりと解いた。


「やっ、なんで、っ、」


胸元が空気に晒される。

もうだめだと思った瞬間、フッと部屋が暗くなった。


………え?

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