気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「こら、脚閉じない」
「ゃ、~っ、ぅ~」
「唇も嚙んじゃだめ」
「ひぁ、っ、」
ひとつに集中したら、もう一方がおろそかになる。
色っぽくたしなめられるのは、これで何度目だろう。
歴くんが電気を消してからというもの、もう気が遠くなるくらいの時間、体に触れられている気がする。
誰にも触れられたことのない部分をなぞられて。
余すところがないくらい、たくさん唇を押し当てられて。
もはや前後不覚。
何度も押し寄せる気持ちよさをどうにか逃そうと身をよじるのに、ちっとも許してもらえない。
飽き足りないといった様子で、反応を探るようにじっくりと攻めてくる。
「れ、れきくん……っ」
「ん……、こうされるのたまんないな?」
「〜〜っ、ゃぁ」
熱がこもって、頭がぐらぐらする。
声が漏れそうになるたびに堪らえようと頑張るせいで、もう息も絶え絶え。
十分すぎるくらいの刺激を受けているのに、体の芯はどこか切なく疼き続ける。