気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
「も、っ、……やめ……」
涙目で訴えた。
これ以上されたら、もっとおかしくなっちゃう……。
「ここでやめたほうがつらいと思うけど……いーの?」
「わ、わかんな…ぃ」
「はは、わかんないか」
「でも……もう無理、っです」
さっきまでシーツを握りしめていた手で、歴くんの体を押し返す。
もちろんびくともしないけど。
「早く終わらせてくださいって、お願いしたのに……」
「へーえ? 手荒なのが好きなんだ」
「やっ、そうじゃない、けど……こんなに甘いこと知らないから、こわい……」
漠然とした恐怖の正体をなんとか言語化して伝えてみれば、最後。
「お前、ほんとに可愛いね」
「ん……ぁ……っ」
ここでどうしてキスが降ってくるのか。
まったくわからないのに、そうされながら指先に力を込められると、もうだめだった。