気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

またたく間に背筋が冷えた。

歴くんの話によれば、私は路地裏で倒れた日から丸一日眠っていたらしいから……。


今日は、無断欠席二日目ということになる。

ううん、今から行けば遅刻で済むけど。


果たして学校までどのくらいの距離なのかも不明で。
もし知らない土地だったら、スマホもなしに辿り着ける自信がない。


それよりどうしよう。
家に連絡が入ってたら……っ。


ひとり青くなる私の傍らで、まろんは毛づくろいを始めている。

ここにまろんを置いて学校に行くのも不安だ。


どうにかして学校に欠席の連絡を入れないと……。


そう思って、おもむろに立ち上がろうとしたとき。

カチャ、と部屋の扉が開く音がした。



「んあ、おはよーございます叶愛サン」


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